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おたのしみ・西工研究室・ボデー別解説・58/96MC系B型

B. 側面

1. 前扉
1.狭幅の折戸.採用例は少なく,神姫が目立つ程度.
2.標準幅の折戸.材質は,1998年頃からアルミになり,耐食性が向上した.
3.広幅の折戸.FOHの短い車両では寸法がかなり苦しくなる.但し,ワンステはこれを標準にしても良いと思う.
4.グライドスライド扉.一時期製造されたリフト車や,ノンステはほとんどこれ.防水には難あり.
2. 中扉
1.標準幅引戸.九州地区は中4枚折戸が早くから普及した関係で,意外にこの仕様は中扉では少ない.53MCの狭幅相当は見たことがないのだが・・・.
2.広幅引戸.ノンステやワンステは,今やこの仕様が半ば標準になりつつある.下側ドアレール無しが特徴で,ドアエンジンはCKD(泰平)のプッシュプル式になる.OPで下側明かり窓も存在.
3.広幅4枚折戸.西鉄が先駆けとなり,その後九州地区を中心に急速に普及した仕様.ガラスは下半分が着色されたものが多い.車内にある扉中央の手すりを少しオフセットさせてやれば,車椅子も十分通過できる.
4.狭幅4枚折戸.採用例は少ない.
5.グライドスライド扉.こちらも採用例は少ない.
3. 後扉
1.引戸.後部扉は,シャーシによって有効幅が変わってくるため,特に幅は分類しない.引戸は関西に多く,下側明かり窓付きも多い.
2.折戸.引戸に比べて戸袋が不要なため,有効幅を大きく取りやすいが,扉接触しやすい構造のものが監視しにくい後部にあるのは不利.
4. 非常口
窓サイズも含め,基本的に1種類.車内の椅子は,エンジン直立マウント車が座面跳ね上げ,横倒しマウント車が椅子前倒しとなるのが基本.非常口表示は,赤文字日本語表記であったが,近年は国際標準の緑色非常口ステッカになっている.なお,車内の赤カバーは,非常時以外はくれぐれも触れないように.(ベルがけたたましく鳴る.)
5. 側面窓
1.標準サイズの二段窓.標準サイズとは,天地サイズが最も小さいものを指す.二段窓は,基本的に下段上昇,上段下降式となっているが,まれにいずれか一方が固定されていることもある.基本的にサッシ式で,色は銀色がほとんど.まれにブロンズ着色仕様もある.
2.拡大サイズの二段窓.天地サイズがやや拡大されたもので,58MC初期から用意されていた.但し,非常口後方の窓に関しては,シャーシ仕様の制約で,拡大型が設けられない型式があり,この場合はそこだけ標準サイズになる.これは,他の窓仕様も同じ.サッシ式で,銀色とブロンズ色の2種.
3.最拡大サイズの二段窓.96MC発売と同時に設定された.サイズ的には,日デRBなどと同じもの.サッシ式.
4.標準サイズのメトロ窓.窓2スパン分を大型の引違窓にしたものをこう呼ぶが,広島地区になぜか多い.サッシ式で,銀色とブロンズ色の2色.
5.拡大サイズのメトロ窓.採用例は少ない.ちなみに,最拡大サイズのメトロ窓は存在しない.
6.拡大サイズの逆T字窓.上部引違,下部固定のパノラミック窓である.サッシ式では,銀色とブロンズ色が存在する.1990年頃から,窓枠下部の組み方が変わっており,従来斜め突き合わせだったものが,他の窓のように垂直に組むようになった.ちなみに,標準サイズを全側面に採用したものは見たことがない.
7.拡大サイズの逆T字窓で,隠し柱(ヒドンピラー)方式のもの.関西地区公営でよく使われた.アウターガラスなどの表現もある.ほとんどブロンズ着色.高級感は非常に高く,固定窓部分が連続して見える.
8.拡大サイズのサッシ式逆T字窓.但し,上側の引違窓部分がやや大きく,阪急・神鉄のみの特別仕様.窓枠下部の組み方は途中変化なし.特許が絡んでいるとの噂もあるが,真相は不明.
9.標準サイズの逆T字窓で,ヒドンピラーのもの.路線車では例を見ないが,日赤等の献血車で採用例がある.
10.最拡大サイズのサッシ式逆T字窓.最近のワンステやノンステは,ほとんどがこれ.廉価ですっきりした外観は非常に好ましく,他メーカも追従したほどである.
11.最拡大サイズのヒドンピラー式逆T字窓.コストダウンの風潮の中,採用例は減りつつある.
12.最拡大サイズのサッシ式逆T字窓で,阪急仕様.引違窓サイズが大きい阪急仕様は,このサイズでも存在.
13.標準サイズのサッシ式T字窓.採用例は少ない.
14.拡大サイズのサッシ式T字窓.色は他のサッシ式同様に銀色とブロンズ色の2色.
15.拡大サイズのヒドンピラー式T字窓.
16.最拡大サイズのサッシ式T字窓.これまでメトロ窓を愛用してきたユーザがこれに移行する例が多い.ちなみにヒドンピラー式は見たことがない.
17.全固定窓.ヒドンピラー式で,窓サイズは当然各種に対応.自家用などわずかに見られるのみ.
6. タイヤハウス部フェンダーアーチ
1.58MC〜96MC初期までは,金属製のモールが取り付けられる.
2.96MC途中から,ゴムを用いたものに変更された.ラバーフェンダーとして解説しているもの.共栄車体で更新するときに,こちらを指定する例も見られる.
7. タイヤハウス
1.標準タイヤ用.タイヤとのクリアランスは,シャーシ毎に指定寸法があり,それに従う.
2.偏平タイヤ用.西鉄が実験的手法でタイヤとのクリアランスを詰める検討を行い,そのお陰で国産では最も小振りなタイヤハウスを用意している.前タイヤの斜めカットなどは秀逸.但しエアサスはベローズを収める関係で大きくなる.
8. 戸袋窓
1.Hゴムのもの.引戸に必ず必要となる戸袋窓は,基本的に扉の窓サイズに類似した大きさで設けられる.
2.サッシ式のもの.他ボデーで見られる,側面窓と同じサイズに拡大して一体感を持たせたデザインは存在しない.
3.サッシ式のもの.阪急が側面幕を戸袋窓に設けていた時代に,太陽光の反射を低減させるため,路面に対してガラス面がほぼ垂直になるよう調整した仕様.
9. ルーバー
1.パンチング式のもの.西工は,国産では最初期にルーバーをパンチング化した.実際にはNC機で加工しているはず.
2.パンチング式のもの.但し,初期は,左右端が丸く処理されていた.58MCにはメッシュグリルは存在しない.
10. 運転席右側窓
1.サッシ式の引違窓.天地サイズはフロントガラスと同一で,非常にモダンな印象を与える.色は銀色とブロンズ色.この仕様が標準.
2.サッシ式の引違窓で,天地サイズを小さくしたもの.標準サイズではやや大きすぎるきらいがあるため,このサイズを選択するユーザも多い.設置位置は,上寄せと下寄せがある.長崎バス仕様で,さらに天地が小さいサイズも存在する.
3.窓そのもののサイズは標準と同じで,上部を固定式にしたもの.サッシ式.
4.同じく,窓そのもののサイズは標準と同じで,下部を固定式にしたもの.ちなみに,サッシ式以外は存在しない.
11. その他
側面最後部の黒いサクションダクト吸入口は,西工58MC系の大きな特徴であるが,シャーシ仕様に大きく依存するので,特に選択可能な仕様という訳ではない.ドアエンジンは,泰平とナブコが選択できるが,ナブコは市場から撤退して久しい.車外スピーカは,当然製造メーカに依存し,松下・クラリオン・ネプチューンの採用例がある.側面フラッシャーはバス協タイプのみ.最近多いスロープ板は,電動なら専門メーカ製になるが,手動は西工オリジナル.JPで大量の実績を築いてきた重みを知るべきである.
ちなみに,西工の窓枠はアルナ工機,ガラスはすべて日本板硝子である.

おことわり:現在,各詳細仕様の解説は暫定的に文章表現のみとしております.順次,写真や図版を使用した解説を追加してまいりますので,ご了承下さいますようお願い申し上げます.


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